2015年3月31日火曜日

下げ札を見れば工場さんが分かるんです。

下げ札のデザインとレイアウトを新しくしました。

まずお詫びをさせて下さい。

究極Tシャツの値段の¥11,000の部分、カンマを打つ位置を間違えて(¥1,1000)作成していたことが分かりました。

こちらの下げ札で商品が到着した場合、ある意味レアなものが届いたと笑ってお許し頂ければ幸いです。申し訳ありません。

さて、気を取り直して。

以前のブログでもご紹介しましたが、atelier comoptiではブランドの方針として、製作に携わって頂いたニッターさんや染め屋さん、縫製工場さん等の情報を可能な限りオープンにしています。

今回の下げ札には、縫製工場さんとニッターさん、パターン作成者のお名前を印字させて頂いています。

当ブランドの哲学の一つ[OPEN&SUPPORTIVE(SUSTAINABLE)]と称して、このような取り組みをしているのには理由があります。


一つには、Tシャツとは言えこれだけ技術の高いモノの製作に携わって頂いているのに、単に[MADE IN JAPAN]で終わらせるのはもったいないという思いからです。

スーパーに売れている[生産者の顔の見える野菜]ではないですが、単に物質だけではなく、各生産者(atelier comoptiのチームだと思っています。)の高いプライドや思いも受け取って頂きたいと思っています。


二つ目に、技術の継承や工場の安定稼働の問題に取り組むためです。
特に縫製工場さんやニッターさんに言えることですが、高い技術を持っていてもそれを広める術を知りません。

日本人特有の職人気質と言いますか、そこが良いところだと思うのですが。

当ブランドの商品の価値と技術を理解して下さる作り手様(企業、ブランドの大小は問いません)、からの問い合わせ、並びに商品の発注が、弊社協力工場さんに流れていけば良いなと。
素晴らしい技術を持ち、それを更に高めようと努力を惜しまない工場さんには、安定した仕事とお金が流れるべきだと思っています。

実際、STELLAR CONFLICT天竺の製作に携わって頂いたニッターさんには、海外メゾン系の2ブランドから問い合わせがきたそうです。生地値が高くて諦められたそうですが。。。


三つ目に、名前を出させて頂くからには、恥ずかしくない、妥協をしない仕事をして下さいねという工場さんへの無言のメッセージです笑


もちろん、上記の方針は各工場さんに伝えて了承を得て紹介しています。


為替高や日本のモノづくりへの再注目により、国内の製造業は少しずつ明るい兆しが見えてきているようです。

この流れのうちに、日本のモノづくりの方向性をきちんと定めるべきだと思います。

この兆しが見えているうちに、値段ではなく技術で勝負する体制を整えなければ、必ず一過性のもので終わってしまうでしょうから。

atelier comoptiも、微力ながら継続して関わっていきたいと思います。


2015年2月6日金曜日

USAコットン16/-吊編み天竺×自然建て琉球藍染めポケットTシャツ 製品概要

前作の究極のTシャツ[STELLAR CONFLICT天竺 S/S Tシャツ]のリリースから半年余り、究極のTシャツ第二弾とも言えるTシャツが完成致しました。

[USAコットン16/-吊り編み天竺×自然建て琉球藍染めポケットTシャツ]

ふっくらとした吊り編みの素材(USAコットン糸使用)に、琉球藍の美しい色合いと質感を融合させました。

縫製の工程や丁寧な仕上げは前回の究極T同様です。

変更点としては、衿を共地ではなく20/-フライスに変更し、アクセントに小ぶりなポケットを配しました。

また、前作の究極のTシャツに使用したパターンのベースはそのままに、今回の素材の着心地に合わせて微調整を入れてあります。

今回の展開色は3色 

・WHITE(無染色)
→あまりにも編みあがったままの生地の風合いも良かったため、無染色のまま縫製して製品にしました。オマケです。
吊り編みの風合いをダイレクトに感じたい方に特にオススメです。

・SORA(ブルー)
手染めのムラ感と、琉球藍ならではの独特の色味を最も顕著に楽しめます。
他のどんな植物染料、化学染料でもこの色合いは出ないと断言出来ます。

・AI(ネイビー)
藍の深みを最も感じることが出来るカラーです。
何度も何度も藍の染料を手作業にて染み込ませることでこの美しい深みが出ます。

今回も生地、縫製、染めともかなり生産に時間がかかるTシャツなため、生産量に限りがあり、追加生産もすぐには対応出来ませんので、その点ご了承下さいませ。

ateliercomoptiオンラインショップ

在庫が無い場合も、追加生産の上がりに合わせての優先予約等承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせ

以下、商品概要になります。いつもの通り長文になりますので、ご興味お持ちの方はどうぞ。

[生地、糸]
USAコットン16/-吊編み天竺
武骨でしっかりとした強さ、タフさを持った生地を目指して開発しました。
琉球藍染めという個性の強い後加工に負けない存在感を持ったベース生地に仕上がっています。
糸は16/-太番手USAコットンのカード糸を使用。
吊編み天竺の特性上、洗うたびに少しずつ柔らかさと膨らみが増すのを感じて頂けます。

[編み]
日本の希少な旧式編み機を代表する、和歌山県の[吊編み機]で天竺を編み上げています。
糸にストレスをかけることなく、空気を含んでゆっくりと編まれた生地は、洗うたびに身体に馴染んできます。
24寸(約28インチ)/24間(18ゲージ)で、少し度目を詰めた設定で編み、表面に多少凹凸感が出るような生地の仕上げをすることにより、心地良いドライなタッチが生まれます。

[染色、仕上げ]
琉球藍染色は、原料となる琉球藍の他、水あめや泡盛など自然のものだけで製造される(自然建て)、沖縄を代表する植物染料です。
古くから心の通った美しさは、今日の化学染料で量産されたものと違い、非常に温かみのある表情をしています。
自然建ての琉球藍染めに対し、いわゆる巷に溢れる藍染めやインディゴ染めは、ほとんどが化学薬品を合成して作りだされており、自然環境に良くないということは、知っておいて頂きたい事実です。
今回の染料の元である泥藍は、沖縄の[琉球藍製造所]さんで製作され、醗酵と染め作業は沖縄の[藍風]さんにお願いしました。
全て手作業で行われる染め工程は、想像もつかないほど手間と時間を要します。
手作業ならではのムラ感と、藍の香りをまとったTシャツの趣は、化学染料使用のインディゴ染めでは絶対に表現出来ないものです。

[パターン]
素材と同様に、その洋服の着心地のキモとなるのはTシャツの形です。
程よくゆとりを持って人体に沿い、着心地の良さ・動きやすさ・着用時の美しさを実現させるため、元来から有る大量生産用のパターン、前後対照に線を引いた所謂Tシャツの型紙からの脱却を第一に考えました。
日本人の持つ上半身の前後差を丈・巾の分量で調節し、正しい位置、美しく見える位置に肩線・脇線を設定。
腕が前気味についている前肩の傾向に対して、アームホール・袖山に前後差をつけるパターンで、よりスムーズな腕の可動を実現しています。
少ないパーツのなかで線の一本一本に意味、拘りを持たせた型紙です。
デザインではなく、シンプルな構造を突き詰めていった結果なので、線が主張しすぎないようにも意識しました。
大量生産では省略されがちな袖口や衿ぐりの縫い目のつながりにも型紙上で気を配り、商品の完成度を高めています。

[縫製]
Tシャツは、洗濯機でガシガシ洗って着たい。
生地のタフさと同様に、縫製がしっかりしていないとそのTシャツを長く着ることは出来ません。
たかだか5枚(前後ろ身、両袖、衿)の裁断した生地から構成されるTシャツと言えど、その縫製の技術や縫製順序で、耐久性や着心地は大きく変わってきます。
大量生産ではなし得ない手間のかかるやり方で、製品として組み立てていっています。
①袖口、裾の空(カラ)ロック×二本針始末→袖口、裾の処理の始末は、まず生地端をオーバーロックミシンでかがります。(通称「空ロック」) 
その後、折り返して平二本針ミシンでたたんで縫製しています。これをすることにより、生地端がほつれることはまずありませんし、着込んでいくうちにどちらかのミシン糸が糸切れしても着用上問題は起きにくく、製品が長持ちします。
②袖の後付け→通称「袖の後付け」という、脇線を縫った後に、完成品の袖パーツをアームホールにぐるりと後付けする使用になっています。
これをすることにより、身頃部分と袖部分のねじれが起きにくく、腕の可動がよりスムーズになります。
③運針数(特定の距離間での針穴の数)も部分的に密度を変えています。強度の必要な程度を箇所毎に算出して縫製しています。
縫製は、長年お付き合いしてきた工場の中から、特に信頼のおける愛知県の縫製工場に依頼しています。
元々肌着専門の工場だったこともあり、その縫製技術は確かです。

[副資材]
商品に使われる副資材(ネーム類など)は、着心地を阻害するものは付けるべきではないと考えます。
①ブランドネーム→通常のブランドさんの製品につけるようなネームタグを首元にはつけません。ブランドネームスタンプにて、衿元のごわつきフリーにしています。
②品質表示→脇に縫い込まれる品質表示(洗濯ネーム)の材質は、肌への負担やごわつきの少ない極薄のポリエステルタフタ素材を選定しています。

立春も過ぎ、春はもうすぐですね!

2015年1月7日水曜日

究極のTシャツお取扱い店舗 南青山CIRCLE様

ご好評頂いております「究極のTシャツ」ですが、冬だろうが何だろうが定番的にお取扱い頂いているのが、南青山の名店[CIRCLE]様になります。

ご覧の通り、各色再入荷させて頂いています。
(全サイズ再納品させて頂いたのですが、年末年始にかけても何枚かお嫁にいったとのことですので、詳しい在庫はCIRCLE様にお問い合わせくださいませ)

まだこのTシャツの実物に触っていない方は、是非このタイミングでご賞味?頂きたいと思います。

CIRCLE様のブログでもご紹介頂いているので、こちらをご覧下さい。

南青山CIRCLE BLOG

ブログを見て頂くと分かると思いますが、店主様が一商品に対して非常に細部まで見て頂いていることが分かると思います。もはや丸裸です。

そんな厳しくも温かい目で様々な商品をセレクトされているCIRCLE様ですので、アパレル以外の雑貨や小物も一見の価値があります。

お近くにお越しの際は立ち寄ってみては如何でしょうか。

ちなみに、CIRCLEの店主様のお名前は青山様です。南青山の青山様です。何故か少し羨ましいです。


皆様

新年明けましておめでとうございます。

より一層妥協しないモノ作りをしていく一年にしたいと思っております。

今年もatelier comoptiを宜しくお願い致します。



2014年11月27日木曜日

雑誌掲載 [HEADGOONIE T-SHIRTS MAGAZINE vol.3]

11月24日発売 [HEADGOONIE T-SHIRTS MAGAZINE vol.3]に掲載されました。

今回はインタビュー含めた2ページぶち抜きで特集頂いてます。

パターンオーダーTシャツを立ち上げた理由やその背景をお話させて頂いていますが、今回も笑い無しのインタビューになってしまいました。申し訳ありません。精進します。

東京Tシャツ部クラゲさんとHEADGOONIE代表大八木さんの対談でも、何故か冒頭からatelier comoptiについて触れて頂いています。

Tシャツ界の重鎮さん方に注目して頂けるのは有難いことですね。

ところで、今回の紙面で改めて感じたのですが、atelier comoptiはTシャツ専門の媒体に掲載されるとかなり浮きますね。

少なくとも自分はそう感じます。笑

恐らく、所謂Tシャツブランドさんは、何か表現したい事柄やモチーフやカルチャーがあって、それをプリントTシャツとして製作していく中でブランド化されていくのだなと。

僕はどちらかというと、Tシャツ自体の生地、パターン、縫製の違いだったり、そこから生まれる着心地を追求することがまずベースとしてあります。洋服ですから。

プリントグラフィックは、シーズン毎にある程度テーマはありますが、何かに固執して決定していくわけではありません。グラフィックの曲線や微妙な色感などには相当拘りますが、リリースするか否かの境界線は、[キャッチーであるかどうか]くらいです。

それらをパターンオーダーで組み合わせる楽しみを知っているからこそこのブランドを立ち上げたわけで、まずブランド開始から向いているベクトルが違うんですね。

あとは単純に、Tシャツブランド特有のストリートっぽさはatelier comoptiに足りな過ぎだなと。笑

そんなことを改めて感じさせて頂きました。


本誌ですが、単純にグラフィックがカッコイイなぁなんて思ってしまうTシャツが多数掲載されています。

また、HEADGOONIEさんの歴代のTシャツと共に振り返られる歴史の特集は読み応えがありますね。なんてったっていつの時代もグラフィックがキャッチーです!


お求めは、HEADGOONIEさんのWEBショップからどうぞ

HEADGOONIE WEB SHOP





2014年11月7日金曜日

夏も終わりましたが。。。

夏が終わりました。

しかし、追加生産分が入荷したばかりの[究極のTシャツ]が、この時期にも多くのご発注を頂いておりまして、驚きを伴った喜びを日々感じております。本当に有難うございます。

こちらのTシャツに関してはリピーター様が非常に多いことが特徴です。

特に多いのは、今夏ご購入頂いたお客様が、同サイズの別カラーをこの時期にお求め頂くという現象です。

また、同サイズ同カラーを追加で複数枚お求め頂くお客様もいらっしゃいます。

私も気に入ったモノは同じモノを何枚も所持して使い回すタチなので、そのお客様のワードローブの中で、本当にお気に入りの1枚になってくれたのだと、大変嬉しく思っています。

当ブランドは、Tシャツ専門で、かつ非常に小規模で(バレていると思いますが)運営しているからか、ご購入頂いたお客様から直接メールなどで嬉しいお言葉を頂戴することが多々あります。

もちろん、その全てに代表の私遠藤が目を通させて頂き、ご返信させて頂いております。

作り手として、やはりこういったお声を頂くことが最も嬉しいことです!ご遠慮なさらずにどしどし送って下さい!笑

というのは半分冗談ですが、そういったお言葉で、更に良いモノを作っていこうという活力にさせて頂いているのは事実です。

また、頂いたご意見を元にイベントの出展を決めたり、運営にも活かしていきたいと思いますので、今後とも宜しくお願い致します。

夏の終わりを惜しんで、、、の写真は本文とはほぼ関係ございません。






2014年10月13日月曜日

イベント出展 10月18日(土) 国立OYATSUYA SUN WORKS内


下記の通りイベントに出展します。

日時:10月18日(土) 12:00~18:00

場所:国立OYATSUYA SUN WORKS(東京都国立市北2-13-48 room103内 map

今回のイベントのメインは、コラボTなどでもお世話になっているブランド1sinさんのPOP UP STOREです。

また、センスの良い雑貨、アパレル製品のセレクトショップで西東京の雄FUSSA GENERAL STOREさんも出展されます。

atelier comoptiは、オマケ?ゲスト?で参加させてもらいます笑

とは言え今回も粒揃いの商品、サンプルをお披露目したいと思っています。

①[究極のTシャツ] STELLAR CONFLICT S/S天竺再入荷分
→今夏の発表後数日でほぼ完売してしまいましたが、ようやく再入荷してくる予定です。
全サイズ完売してしまったネイビーはもちろん、サイズ欠けしているホワイトも持って行きます!

②灰汁醗酵建て本藍染め×吊編み天竺Tシャツのサンプル(写真の製品。初お披露目です!)
→詳しくはこちら

③パターンオーダーTシャツ(ポケTのみ)
→イベント出展時に好評な、パターンオーダーTシャツのポケTの見本は今回も持って行きます。
生地、型、ポケットの大きさや位置など、その場でお好みにカスタム頂けます。

④究極のシール編みパーカ(仮)のサンプル(初お披露目です!)
→とにかく着心地の良いパーカを作りたい!と試作にかかっている商品です。袖を通すだけでも是非。

⑤無添加の手作り石鹸
→スタッフが製作している石鹸で、もしかするとTシャツよりもリピーターが多い??と噂のシロモノです。
ちょっと形が不揃いだったりしますが、原材料は全国各地から厳選して取り寄せています。
使用感はとても良いと好評です。女性や敏感肌の方にオススメです。

①⑤は数量限定で即販致します。②はオーダー制になりますので、約2~3週間後に商品をお届けします。

③④に関しては、とにかく見て下さい!触れてみて下さい!着てみて下さい!というお披露目のみになりますが、商品化された際に優先的に在庫を確保させて頂く、仮の受注会という形にさせて頂きます。(お代を頂くということはありません。)


パーカと石鹸以外は季節感がかなりずれている商品だという意見は、しっかりと受け流させて下さいませ。。。


会場であるOYATSUYA SUN WORKSももちろんオープンしているので、焼き菓子や珈琲をゆっくり飲みながら、最近話題の国立エリア散策をしてみては如何でしょうか??

お待ちしております。

2014年9月30日火曜日

生産背景紹介 [佐々木縫製所]

佐々木縫製所の皆さん

atelier comoptiの商品の縫製は全て、愛知県の佐々木縫製所さんにお願いしています。

今日は、そんな佐々木縫製所さんをご紹介致します。
(皆さん恥ずかしがられて、写真を撮らせて頂くのに苦労しました笑)

佐々木縫製所さんは、元々肌着専門の工場さんで、その歴史は40年以上になります。

今は、佐々木さん夫妻と、正社員のベテラン縫製工員さん7名の、計9名で運営されています。

お付き合いとしては、僕がatelier comoptiを立ち上げる以前のOEMメーカー勤務時代からになりますので、5年程何かとお世話になっております。

ご主人は[THE 職人]といった気質の方で、「良い商品を作りたい」という気持ちを強く伝えると、その何倍もの熱意で返してくれようとして下さる方です。

当然皆さん縫製に限らず商品作りにはとても詳しく、「この仕様に変えた方がキレイに仕上がる」などといったアドバイスもして下さいます。

工場内はというと、まずとても綺麗に整頓されています。
(経験上、整頓がきちんとなされていない工場さんでは、残念ながら希望通りの商品は上がってきません。)

そして、豊富なミシンの手入れや針の管理もしっかりなされています。

工場さんの概要としてはこんな感じですが、、、



ここからが最も言いたいことです。

僕はメーカー時代から国内海外問わず、数多くのカットソー縫製工場さんとお付き合いしてきました。

その中で、ことTシャツやその他のカジュアル系の商品の仕上がりの良さ、雰囲気(俗に言う、商品のツラ)は、佐々木縫製所様をおいて右に出る工場さんは無いと思っています。

商品のパターンや仕様、運進数などをこちらの指示通り作ってもらえるのはもちろんのことですが、縫製、仕上げの丁寧さが他の工場さんとは一味も二味も違います。

この違いは、40年以上築いてきた佐々木さん含めた工員さんたちの技術に加え、[良いモノを作ろう]という熱が、商品に現れているということに他ならないと思います。


話は少し脱線しますが、、、

[MADE IN JAPAN] この言葉は、先人が築いてくれた日本のモノ作りに対する姿勢、技術の高さから、国内、海外問わず高い評価を受けている言葉で、ある種ブランドになっています。

しかし、実際の日本の縫製現場の工員さんは、海外の研修生がその大多数を占めているのはご存知でしょうか??

また、その研修生の多くは、その研修の制度やビザの関係等により、数年で入れ替わっているのをご存知でしょうか?

つまり、数多くの工場さんの縫製工員さんは、縫製の覚えたてで日本で働き始め、ある程度技術が伴ってきた時点でまた未熟な海外研修生に交代しているのです。

これで[MADE IN JAPAN]と技術的に胸をはって言える商品が生まれるでしょうか?

その点においても、佐々木縫製所さんは工員の皆様もベテラン(あまりベテランベテランと言うと、写真の皆さんに怒られるかもしれませんが、、、)揃いで、胸をはって[MADE IN JAPAN]だと言える技術を持っています。

雇用の面でも、佐々木縫製所さんは縫製工員さんも皆さん正社員です。

これは、縫製の現場では大変珍しいことですが、社長さんの「一緒に働く者には、きちんとした給料を渡し、福利厚生もしっかりさせ、生活を安定させてあげたい。」というポリシーに基づく雇用体系です。

その分、縫製工賃は安くはありません。
(他の長時間労働や海外研修生を安い賃金で雇用している工場さんと比べてです。佐々木縫製さんの技術だけ見ても、高い工賃ではないと僕は思ってます。)

しかし、着る側だけが幸せで、作り手が損をするようなモノ作りは存在し得ないと思うため、その分良い生地、商品を作ろうと努力するのは僕たちの役目だと思っています。



今回佐々木縫製所さんを紹介したのは2つ理由があります。

1つは、単純にatelier comoptiの生産現場を見てより商品を身近に感じて頂きたかったということ。

もう1つは、これだけお世話になっている工場さんに、少しでも恩返しがしたいと思うからです。

その恩返しの方法とは、atelier comoptiの商品を実際に手に取って、佐々木縫製さんの技術の高さを感じて頂き、その技術と佐々木さんのポリシーに賛同して下さる方が、新規で佐々木さんに仕事を依頼する、、、という流れが出来ればいいなと思っています。

これだけの技術を持っている佐々木さんでも、やはり海外の縫製工賃の安さ(前述の通り国内も含め)や、「洋服」がそもそも「IT」などにトレンドセッターを譲っているこのご時世では、常に順調に仕事があるわけではありません。

日本の伝統の織り物や染め物の技術を継承しようとする動きと同じように、「縫製工場」が持っている技術も、絶やしてはならないものだと思うのです。


atelier comoptiではこのように、生産背景もオープンに公開していきたいと思っています。

恥ずかしくないモノ作りをしているというご案内と、確かな技術を持った現場に、少しでも良い仕事が回っていくことを願って。

裁断をお願いしている[ゆう城産業]さん

向かって右から
パターンのグレーディングをお願いしている江口さんと、細かい管理をして下さっている小林さん