2016年2月4日木曜日

2016SS新作 USAコットン16/-吊編み天竺×天然染料染めポケットTシャツをリリースしました。

昨年ご好評を頂いたUSAコットン16/-吊編み天竺ポケットTシャツに、今年は天然染料で染めた新色を2色リリース致しました。

atelier comopti オンラインショップ

Tシャツの生地、縫製等の詳細は昨年リリースした琉球藍染めの商品概要からご覧ください。

こちら

2色とも京都の天然色工房[手染メ屋]さんの手によって染めて頂きました。

天然染料ならではのくすんだ、深い色合いは、どこか心安らぎます。

以下、カラーの説明に関しては手染メ屋さんの記述を抜粋させて頂いています。


[海松色(みるいろ)]
楊梅(やまもも)の幹を使って染める濃いカーキグリーンです。媒染は木酢酸鉄を使います。
海松(みる)とは海藻のこと。海岸にもよく打ち上げられている、細長い茎が枝分かれして生える海藻でして、松の葉に似ていることからこの字があてられています。
海藻の海松のように深いカーキグリーンのものを、平安時代からこう呼ぶようになっているようです。
この色は洋の東西を問わず20世紀以降の軍服に使用されており、わが国でもいわゆる「国防色」に近い色目と思います。ミリタリー系のカジュアルウェアにもよく見られる色で、トップス、ボトムアイテムに限らずとても使いやすい色目と思います。


[鈍色(にびいろ)]
矢車附子(やしゃぶし)というハンノキ科の低木の実を煮出して染める色です。媒染にはミョウバンと木酢酸鉄の両方を使います。
最もニュートラルな日本のグレーで、古代には喪に服する色目としても使われていました。鈍色は濃いものから薄いものまでいろいろな濃度があり、薄鈍(うすにび)や濃鈍(こきにび)などと言われ、源氏物語などを見ると、喪の鈍色が濃ければ濃いほど近親で悲しみが深い、とされていたようです。
読んで字のごとくにぶい色なのですが、「鈍い」という言葉は本来刃物の切れ味が悪くなることで、切れ味が悪くなった刃物、すなわち鉄を米酢などに入れて鉄媒染に使用したところから来たのではないか、という説があります。
西洋のグレーに比べて少し黄味がかかっているこの鈍色ですが、決して何かの色が見えるわけではなく、やはりグレー。不思議な色目です。特にトップスの色としてはとても重宝しています。


両色とも、着こんでいくうちにどんどん味が出てくる色味です。

また、手染メ屋さんのご厚意により、本来手染メ屋さんで購入した商品のみに適用されるサービス[染め重ね無料サービス]がご利用頂けます。

簡単に言うと、色が褪せたり変わったりしたものに関しては無料で染め重ねをしてまたお使い頂けるように致します、というアフターサービスです。

詳しい利用方法等は、こちらの手染メ屋さんのサイトからご覧ください。

染め重ね無料サービス


USAコットン16/-吊編み天竺ポケットTシャツ自体、非常に耐久性のある素材を使い、かつ少しでも長く元の形を保てるように縫製しています。

お得感を出したいわけではありませんが、このボディに染め重ね無料サービスを併用すれば、かなり長期間きちんとしたよそ行き(言葉が古いでしょうか?)のTシャツとしてご愛用頂けると思います。

口先だけではなく、本当に[長い間お気に入りとして着用してもらえるTシャツを作りたい]という当ブランドの根本の考えを体現してくれるTシャツに仕上がったと思います。

皆様、宜しくお願い致します。


染料原料:左から矢車附子、梔子、紅花、楊梅、五倍子



蛇足にはなりますが、数年前に目にした手染メ屋さんのこのサービスに私は衝撃を受けました。

ご自分の仕事に計り知れない愛と自信とプライドがあってこそのサービスだと思います。

長年愛用したお気に入りの洋服のお直しを無料で引き受けてくれる洋服屋さんや工場さんは今日本にどれだけあるでしょうか?染めとなれば尚更です。

同じ規格で作られた洋服でも、自分と過ごしてきた時を考えると、ただ新品を買い直せば済む話ではないと思いますので、とても素晴らしいサービスだと思います。

今回そんな手染メ屋さんと一緒に商品作りが出来たことを幸せに思っています。





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