2014年9月30日火曜日

生産背景紹介 [佐々木縫製所]

佐々木縫製所の皆さん

atelier comoptiの商品の縫製は全て、愛知県の佐々木縫製所さんにお願いしています。

今日は、そんな佐々木縫製所さんをご紹介致します。
(皆さん恥ずかしがられて、写真を撮らせて頂くのに苦労しました笑)

佐々木縫製所さんは、元々肌着専門の工場さんで、その歴史は40年以上になります。

今は、佐々木さん夫妻と、正社員のベテラン縫製工員さん7名の、計9名で運営されています。

お付き合いとしては、僕がatelier comoptiを立ち上げる以前のOEMメーカー勤務時代からになりますので、5年程何かとお世話になっております。

ご主人は[THE 職人]といった気質の方で、「良い商品を作りたい」という気持ちを強く伝えると、その何倍もの熱意で返してくれようとして下さる方です。

当然皆さん縫製に限らず商品作りにはとても詳しく、「この仕様に変えた方がキレイに仕上がる」などといったアドバイスもして下さいます。

工場内はというと、まずとても綺麗に整頓されています。
(経験上、整頓がきちんとなされていない工場さんでは、残念ながら希望通りの商品は上がってきません。)

そして、豊富なミシンの手入れや針の管理もしっかりなされています。

工場さんの概要としてはこんな感じですが、、、



ここからが最も言いたいことです。

僕はメーカー時代から国内海外問わず、数多くのカットソー縫製工場さんとお付き合いしてきました。

その中で、ことTシャツやその他のカジュアル系の商品の仕上がりの良さ、雰囲気(俗に言う、商品のツラ)は、佐々木縫製所様をおいて右に出る工場さんは無いと思っています。

商品のパターンや仕様、運進数などをこちらの指示通り作ってもらえるのはもちろんのことですが、縫製、仕上げの丁寧さが他の工場さんとは一味も二味も違います。

この違いは、40年以上築いてきた佐々木さん含めた工員さんたちの技術に加え、[良いモノを作ろう]という熱が、商品に現れているということに他ならないと思います。


話は少し脱線しますが、、、

[MADE IN JAPAN] この言葉は、先人が築いてくれた日本のモノ作りに対する姿勢、技術の高さから、国内、海外問わず高い評価を受けている言葉で、ある種ブランドになっています。

しかし、実際の日本の縫製現場の工員さんは、海外の研修生がその大多数を占めているのはご存知でしょうか??

また、その研修生の多くは、その研修の制度やビザの関係等により、数年で入れ替わっているのをご存知でしょうか?

つまり、数多くの工場さんの縫製工員さんは、縫製の覚えたてで日本で働き始め、ある程度技術が伴ってきた時点でまた未熟な海外研修生に交代しているのです。

これで[MADE IN JAPAN]と技術的に胸をはって言える商品が生まれるでしょうか?

その点においても、佐々木縫製所さんは工員の皆様もベテラン(あまりベテランベテランと言うと、写真の皆さんに怒られるかもしれませんが、、、)揃いで、胸をはって[MADE IN JAPAN]だと言える技術を持っています。

雇用の面でも、佐々木縫製所さんは縫製工員さんも皆さん正社員です。

これは、縫製の現場では大変珍しいことですが、社長さんの「一緒に働く者には、きちんとした給料を渡し、福利厚生もしっかりさせ、生活を安定させてあげたい。」というポリシーに基づく雇用体系です。

その分、縫製工賃は安くはありません。
(他の長時間労働や海外研修生を安い賃金で雇用している工場さんと比べてです。佐々木縫製さんの技術だけ見ても、高い工賃ではないと僕は思ってます。)

しかし、着る側だけが幸せで、作り手が損をするようなモノ作りは存在し得ないと思うため、その分良い生地、商品を作ろうと努力するのは僕たちの役目だと思っています。



今回佐々木縫製所さんを紹介したのは2つ理由があります。

1つは、単純にatelier comoptiの生産現場を見てより商品を身近に感じて頂きたかったということ。

もう1つは、これだけお世話になっている工場さんに、少しでも恩返しがしたいと思うからです。

その恩返しの方法とは、atelier comoptiの商品を実際に手に取って、佐々木縫製さんの技術の高さを感じて頂き、その技術と佐々木さんのポリシーに賛同して下さる方が、新規で佐々木さんに仕事を依頼する、、、という流れが出来ればいいなと思っています。

これだけの技術を持っている佐々木さんでも、やはり海外の縫製工賃の安さ(前述の通り国内も含め)や、「洋服」がそもそも「IT」などにトレンドセッターを譲っているこのご時世では、常に順調に仕事があるわけではありません。

日本の伝統の織り物や染め物の技術を継承しようとする動きと同じように、「縫製工場」が持っている技術も、絶やしてはならないものだと思うのです。


atelier comoptiではこのように、生産背景もオープンに公開していきたいと思っています。

恥ずかしくないモノ作りをしているというご案内と、確かな技術を持った現場に、少しでも良い仕事が回っていくことを願って。

裁断をお願いしている[ゆう城産業]さん

向かって右から
パターンのグレーディングをお願いしている江口さんと、細かい管理をして下さっている小林さん




2014年9月18日木曜日

天然藍灰汁醗酵建 本藍染め×吊り編み天竺Tシャツ

「インディゴ染め」と「本藍染め」は似て非なるモノです。

青梅の本藍染め藍染工房[壺草苑]さんを訪れ、強く実感しました。

実際の原料、染め方を丁寧にご説明頂き、大変勉強になりました。

久々に「染め」という分野で衝撃的に良いモノを見たと思ってます。


事実として最も違うのは、本藍染めは色落ちせず、環境にもとても優しいです。

対して巷に出回っているインディゴ染め製品は、色落ちしますし、概して環境に良い染め方とは言えません。

その違いは僕が説明するより、壺草苑さんのサイトのご説明をご覧下さい。

天然藍灰汁醗酵建って?


僕が一番魅せられたのは、その染め方や機能性、江戸時代から続く伝統を守っている職人さんの姿勢は去ることながら、その藍色の奥行の深さ、美しさです。

誰に断る必要も無いかもしれませんが、絶対にatelier comoptiとして製品化させて頂き、世に送り出したいと思っています。

壺草苑さんから戻る車中から、どのような素材を組み合わせてTシャツにすべきか、そればかり頭の中にありました。

ストックされている生地から試作してみたり、再度ニッターさんを回り直し、ようやくイメージに合う素材に行き着きました。

それが、表題にもある吊り編みの天竺生地です。

洋服好きの皆様には吊り編み機の裏毛を使ったパーカやスウェットなどが馴染み深いかもしれません。

その吊り編み機で、16/-という太番手の糸をゆっくりゆっくり編み、独特のふっくら感をもった天竺編みの生地に仕上げました。

この生地を本藍染めの繊細な風合い、色目と組み合わせた時に、どのようなTシャツになるのか非常に楽しみです。

来月10月18日(土)にとあるイベントにオマケ?ゲスト?で出展するのですが、その場でお披露目だけでも出来ればなぁ、、、と思っております。

イベント詳細と、このTシャツの行方はまたブログでご報告致します!

あれ?「秋も深まる10月にTシャツお披露目されても。。。」という声が聞こえた気がしますが、、、気のせいですね!